「みえるとかみえないとか」ヨシタケシンスケ 作 /伊藤亜紗 相談(出版:アリス館)
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*本記事は著作権を順守しております。
「障がい者」という言葉を聞いて、あなたはどう思いますか?
「かわいそう」もし、そう思うなら、その考えが変わるかもしれません。
私は、この絵本が人生の教科書になりました。
- 本のあらすじや対象年齢が分かる
- 実際の子供の反応を紹介
- 実感した絵本の効果を紹介
視野が広がる絵本「みえるとかみえないとか」について、以下の点を紹介します。
絵本の基本情報
対象年齢・レビュー
ページ数:32ページ
*対象年齢:4歳~大人
*文字数:少なめ
おすすめ度:
テンポの良さ:
*対象年齢、★は当サイト独自の考えです。
*文字数は本サイトの対象年齢と比較したものです。
この絵本は、隔たり無く全ての人が深く考えるべき内容だと感じます。
内容は難しめですが、4歳程度の子にも「いろいろなひと」がいる事を理解できるように、「宇宙」が舞台になっています。
あらすじ
主人公は宇宙飛行士です。いろいろな星で、いろいろなひとと出会います。
とある星に着きます。
この星のひとは生まれつき後ろも見えるため、後ろも背中も見えない人間の事を「かわいそう」と思い、余計な気遣いをされます。
しかし、人間はずっと後ろが見えないのが「あたりまえ」であり、「普通」です。
『「みえかた」が ちがうだけなのに みんな すごく きをつかってくれて、 ヘンなきもちだった』(5pより引用)
今まで行った星にも、その星の「あたりまえ」があり、どの星でも「珍しいからだ」になってしまう人間は、色々と苦労したことを思い出します。
そんな中、「生まれつき目の見えないひと」もいました。そのひとの「みえる世界」と、目の見えるひとの「みえる世界」はかなり違うものでした。
『ってことは、「べつのせかいにすんでいる」ってことなんだろうか。』(18pより引用)
しかし、私たちはそもそも、少しずつ違う「個性」を持っています。
その「個性」は、自分で選ぶことも変えることも出来ない、自分だけのものであることを、乗り物で例えています。
さらに、自分と似ているひとは安心でき、違うひとはわからないから怖く感じてしまい、無意識に差別してしまうことも、乗り物の種類を変えてわかりやすく解説しています。
『でも、もしぼくが「めずらしいひと」だったとしたら、どんどんはなしかけてもらったほうが、うれしいんじゃないかなぁっておもう。』(24pより引用)
そのひとにしかみえない世界を、お互いに話しあえば面白いし、どんなに自分とは違うひとでも、自分と同じところはあります。
それを一緒に楽しめばいいだけなのだと気づくのでした。
子供の反応・感想
2歳の娘には難しかったようで「背中が見えたら面白いね!」と言っていました。
2歳の娘が理解出来なかったのは、「普通」や「あたりまえ」などの固定概念が形成されていないからなのかもしれません。
いつも多数側にいた人間が、少数の立場に置かれた時、多数側である星の住人に「かわいそう」と言われたシーンは心が震えました。
立場が変わり、少数側に置かれることで、一瞬にして少数派を自分事にして表したのです。
自分とは違う「珍しいひと」とどう関わるのか、自分が「珍しいひと」ならどうしてほしいのか、自分事として考えることができました。
環境が変わればいつでも自分が「珍しいひと」になります。
それは絵本の中のお話だけではないと思います。
あなたなら、どうしてほしいですか?
私はこの絵本を読んで、自分のなかに、自分にはみえなかった偏見が隠れていた事に気づきました。
「違う」も「同じ」も、全て話し合って理解を深め合えたら面白くていいんじゃないかな。
まとめ
「みえるとかみえないとか」をまとめるとこんな絵本です。
- 4歳~大人を対象にした絵本です。
- 主人公にとっての「普通」が環境の変化により、少数側になる事で変に気を使われてしまいます。一人ひとりの個性に対し、主人公なりの考え方を導き出すお話です。
- 絵本を読むことで、自分に潜む偏見に気づけるかもしれません。
私の娘は2歳で、偏見など持ち合わせていません。
大人のほうが、「あっ」と気づかされることが多いかもしれませんね。
子供よりも大人に響くこの絵本、あなたの人生の教科書にしてみてはいかがでしょうか。
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*本記事はすべて、個人の感想とレビューです。