絵本を読み聞かせすることで、話すのに必要な脳の機能「言語野」を鍛える事ができます。
そのため、子供の能力を飛躍的に伸ばす事ができます。
さらに、絵本で言葉を教えるのは、親子で同じものを見て、共同注意*がうまれるため、言葉の吸収が早くなります。
共同注意=他者と同じものに注意する事。
同じものを意識してみることで、物の名前を覚えたり、認識することが早くなります。
- 発語を促す絵本の選び方が分かる
- 初めて喋った言葉ランキングが分かる
- 発語を促す絵本のあらすじや子供の反応が分かる
- 絵本以外の発語を促す方法も紹介
どんな絵本が発語に最適?
- オノマトペ絵本
- リズム絵本
- 動物や、乗り物など、好みの絵本
赤ちゃんの初めて喋る言葉は、「ワンワン」や「バイバイ」などの、オノマトペや繰り返し言葉が多いのをご存じですか?
オノマトペとは、犬が鳴いたときの「ワンワン」や、星が「キラキラ」しているなどの擬音のことをいいます。
他にも「ママ」「パパ」など、赤ちゃんが好きな人や物は初めて喋る傾向にあります。
実際に、我が家でも、オノマトペや、好きな物の名前は発語が早い傾向にありました。
喋るのが早かった言葉ランキング
息子 | 娘 | |
---|---|---|
1番目 | ママ | ママ |
2番目 | でしゃ(電車) | ニャーニャー |
3番目 | かんかん(踏切) | でしゃ(電車) |
4番目 | (いないいない)ばあ | ワンワン |
5番目 | ワンワン | ぱぱ |
6番目 | あんぱ(アンパンマン) | (いないいない)ばあ |
7番目 | があがあ(アヒル) | あんぱ(アンパンマン) |
8番目 | あーん(食べる) | があがあ(アヒル) |
9番目 | はーい | かんかん(ふみきり) |
10番目 | ぶーぶー | はーい |
息子も、娘も初めての言葉は「ママ」でした。
息子は電車が好きで、娘は動物が好きです。それぞれ好きな言葉も、発語が早い傾向にありますね。
そして、オノマトペが表のほとんどを占めているのが分かります。
私が児童福祉施設で働いていた時にも、「オノマトペ」「好きな物やひと」は、発語が早い傾向にあることを確認しています。
発語を促すにはどうすればいい?
1歳前後は、「オノマトペ」や「繰り返し言葉」など、リズムや発音が楽しい言葉が大好きな時期です。
そもそも、発語に必要なのは、単語の理解を深める「知覚」や、喋りたいと思う「意欲」、喋るための「体の発達」となります。
オノマトペや繰り返し言葉などの「楽しい」「面白い」と思えるポジティブな刺激は、赤ちゃんの喋りたいという「意欲」を掻き立てられるため、発語を促すことに対してとても重要な刺激です。
絵本を使うことで、発語に必要な「単語の理解」と、喋りたいと思う「意欲」の2つを育てる事ができます。
発語を促す効果のある「オノマトペ」や「繰り返し言葉」、赤ちゃんの「好き」が盛りだくさんの絵本を紹介します。
発語を促す絵本11選
「子供が初めて喋った言葉」や「赤ちゃんの好きな言葉」を元に、簡単に読める絵本から、大量に言葉が収録された図鑑まで、11冊を紹介します。
実際に読み聞かせた子供の反応も交えて紹介します。
じゃあじゃあびりびり (22ページ)
・わんわん(犬)
・にゃーにゃー(猫)
その他多数
あらすじ
「みず じゃあ じゃあ じゃあ」
と、「じゃあじゃあ」などのオノマトペと共に、オノマトペが指している物の名前がセットに覚えられる絵本です。
おすすめポイントと子供の反応
単語の理解がない赤ちゃんでも、オノマトペと単語が交互に見れるので、物の名称が理解しやすく、単語の理解を深めるのに最適な1冊です。
「水」や「踏切」、「飛行機」などいろいろな種類の単語が収録されていてるので、好みが分かれず、広い範囲のお子さんにおすすめです。
息子は「かんかん」と踏切のページが、娘は「にゃーにゃー」と猫のページがお気に入りで、何度も破けるほど愛読している絵本です。
「オノマトペ」から「正しい日本語」への切り替えも簡単にできるので、発語を促す絵本として、一番効果を感じています。
・ミリオンセラーを記録
・オノマトペと単語交互に見れるから単語の理解が深まる
アンパンマン あそぼうしゃべろう ことば図鑑(55ページ)
・あんぱ(アンパンマン)
・犬
その他多数
あらすじ
アンパンマンと一緒に2000語以上もの単語を覚えられる1冊です。
おすすめポイントと子供の反応
図鑑では「赤ちゃん言葉」が使われていないので、「正しい日本語」を教えたい人にぴったりの1冊です。
英語モードも搭載されている図鑑絵本ですが、子供が大好きなアンパンマンと一緒なので食いつきが凄まじいです。
タッチペンが搭載されているので、1歳を過ぎたお子さんなら1人で遊べることもでき、付きっ切りの必要がないことも助かりますね。
息子がこの絵本で一番最初に発語した単語は「あんぱ(アンパンマン)」です。
流石アンパンマン!
・正しい日本語を覚えられる
・食いつきがよく、タッチペンを使って一人で遊べる
あかちゃんごたどりえほん (24ページ)
・わんわん(犬)
・かんかん(踏切)
その他多数
あらすじ
指で「ザラザラ」の線をなぞりながら読む絵本です。
指で刺激を脳に伝えつつ「オノマトペ」を使って単語を覚えていきます。
おすすめポイントと子供の反応
脳が占める体積を表した、脳のこびとと呼ばれる「ホムンクルス」
そのホムンクルスの姿は手が一番大きいんです。つまり、脳の体積は「手、指先」の感覚が一番大きいということです。
さらに、「手指」を司る脳の位置は、脳の中心部にあり、手指から刺激を与えると、全体に刺激が伝わる仕組みになっています。
このように、化学的根拠に基づき「発語」を促しているのがこの絵本です。
息子も、ザラザラとした刺激に興味津々で、気づけばこの絵本を開いています。
・根拠に基づいて発語を促したい人におすすめ
・0歳からでも使いやすい絵本
あかちゃんごおしゃべりずかん (24ページ)
・わんわん(犬)
・でしゃ(電車)
その他多数
あらすじ
赤ちゃんが喋りやすい、赤ちゃん言葉。
そんな赤ちゃん言葉がたっぷり収録された、図鑑形式の絵本です。
おすすめポイントと子供の反応
「赤ちゃんが早く言える言葉ランキングトップ500」から作られたこの絵本。
絵本では、「家族」「食べ物」「乗り物」「生き物」「くらし」「身体」「挨拶」「気持ち」「遊び」の9種類の赤ちゃん言葉が盛りだくさん!
幼い子供でも、認識しやすいようにコントラストの強く、ハッキリした、「イラスト屋」のような絵柄が嬉しい絵本です。
「挨拶」なども、使う場面が分かるように、工夫されたイラストも嬉しいポイントです。
息子は「乗り物」、娘は「生き物」のページが大好きで、「ワンワン」「でしゃ!」と大興奮でした。
・早く発語してほしい人におすすめ
・0歳からでも使いやすい絵本
ぶーぶーぶー (20ページ)
・ぶーぶー(車)
あらすじ
「ぶーぶーぶー」のオノマトペを繰り返しながら、赤や青、黄色など様々な色の車が登場する絵本です。
おすすめポイントと子供の反応
「ぶーぶーぶー」と様々な色の車が登場することで、いろんな色を覚えたり、「色が違くても、車である」と、車という物の概念を確立させることができます。
黄色の車は黄色の車、青の車は青の車、と、色がハッキリと分かれていて、無駄な色を使っていないのも嬉しいポイントです。
この絵本が息子に大ヒット!開くたび「ぶーぶー!」と、絵本を走らせています。
現在は「色の概念」を教えようと、毎日読んでいる絵本です。
・車や色の概念を確立できる
・色を覚えるのに最適な絵本
にゃんにゃんわん! (12ページ)
・わんわん(犬)
・にゃーにゃー(猫)
その他多数
あらすじ
動物の特徴的なパーツが見えています。でもかくれんぼしていて、誰だかわかりません。
しかけページをめくると、「ニャンニャンニャオ~ねこちゃん」そこにいたのは猫でした。
おすすめポイントと子供の反応
「猫」「犬」「猿」「ライオン」「牛」「馬」「ネズミ」「ゾウ」「豚」「ヤギ」「ヒヨコ」「カエル」の12種類もの動物が登場します。
それぞれ特徴的な部位を見せてかくれんぼしているので、動物の特徴を端的に捉えられるのが嬉しい絵本です。
特徴的な部位だけ見えることで「何の動物か」を考えさせる仕組みになっているので、思考力の向上の効果も見込めます。
この絵本のおかげなのか、娘は1部分のみを見て「これがなにか」を当てるのが得意で、大人をたびたび驚かせます。
・動物の特徴も一緒に学べる
・思考力が高まる
・動物好きにおすすめ
おべんとうバス (21ページ)
・はーい(返事)
・あーん(食べる)
その他多数
あらすじ
「はんばーぐくーん」「はーい」
食べ物が、可愛く「はーい」とお返事しながらおべんとうバスに乗り込むお話です。
おすすめポイントと子供の反応
とにかくカワイイこの絵本。
たべもののイラストが可愛いのは勿論、絵本を読んでいる時の子供の反応もたまりません。
1歳の息子と2歳の娘に読んでいます。
「はんばーぐくーん」と言うと、「はーい」とお返事する息子、「たまごやきちゃーん」と呼んでも「はーい」とお返事する息子。
それに対して、娘が「あなたはハンバーグくんじゃないでしょ!」とツッコミを入れています。
最後のページでは、二人仲良く「あーん」と言いながらお弁当バスを頬張っていました。
・可愛くて癒される絵本
・発語だけでなく食育にもピッタリ
いないいないばあ (20ページ)
・にゃーにゃー(猫)
・(いないいない)ばあ
あらすじ
「いないいないばあ にゃあにゃが ほらほら いないいない ばあ」
と、ほとんどの言葉が繰り返し言葉になっており、赤ちゃんが理解しやすく楽しめる絵本になっています。
おすすめポイントと子供の反応
「いないいないばあ 今度は誰だろ いないいない ばあ」と、赤ちゃんの想像力を育むようなページもあります。
「いないいないばあ」は、0歳~1歳の赤ちゃんにとって、最適な知育でもあります。
「*ミラーニューロン」(マネする能力)
「*2ワーキングメモリ」(一時的に記憶する能力)など、前頭葉の活性化において、脳のトレーニングになります。
1歳の息子は絵本を読むとマネをして、「いないいない」では顔を隠し、「ばあ」では一緒に発語しながらお顔を見せてくれます。
絵本と一緒にいないいないばあをする子供の姿には癒されますね。
・想像力を刺激する
・いないいないばあ絵本は脳の機能を高める働きも期待できる
・日本の絵本で最も売れている絵本
もこもこもこ (29ページ)
・もこ
・ぷう
その他多数
あらすじ
「もこ」「ぷう」など、簡単に発音できて楽しいオノマトペのみの構成です。
内容は特になく、いろいろな解釈ができるところも面白いポイントです。
おすすめポイントと子供の反応
”発音する楽しさ”を感じることが出来るので、単語をため込んでいる途中のお子さんにぴったりの絵本です。
”発音するのって楽しい”が、発語のキッカケになるといいですね。
娘がドハマりした絵本で、「もこ」や「にょき」と言う度に大笑い。単語があまり出てきてないうちから、繰り返し発音して遊んでいました。
そこから暫くして、単語の爆発器が来て、2語文、3語文まではトントン拍子に進みました。
・ミリオンセラーを記録
・喋る楽しさを掴むキッカケになる絵本
ふみきりくん (24ページ)
・かんかん(踏切)
あらすじ
踏切の1日の仕事を描いた絵本です。
踏切君は、遮断機が付いていて、赤い目玉を光らせ、かんかん鳴らしながら遮断機を下ろします。
そこに猛スピードのトラックが…
おすすめポイントと子供の反応
1歳が読むには、文字数が多めですが、オノマトペがふんだんに使われているので、内容がスッと入ってきます。
電車に興味がある子は、「かんかん」のオノマトペや、電車の楽しいオノマトペにくぎ付けになります。
この絵本がキッカケで、息子が「かんかん」と発語しました。
2歳の娘もこの絵本が大好きで、350冊以上絵本がある我が家でもレギュラーメンバーに選ばれている絵本です。
・電車好きな子にはこれ!
・踏切や電車のオノマトペが楽しい物語絵本
がたんごとん (20ページ)
・でしゃ(電車)
・にゃーにゃー(猫)
その他多数
あらすじ
「がたんごとん がたんごとん」のオノマトペを繰り返し、リンゴなどのお客さんを乗せて終点に向かうお話。
おすすめポイントと子供の反応
文中には直接「でんしゃ」や「にゃーにゃー」などは含まれませんが、発語が早い傾向にある、「猫」や「電車」、「バナナ」などが登場します。
電車の発語は「でしゃ」の子もいれば、「がたんごとん」の子もいて、子供によって発音しやすい言葉が様々です。
この絵本を読むときには、読み聞かせの時は「がたんごとん」、指差しされたときには「電車」と正しい名前を言うようにしています。
また、フレーズが4種類のみなので、初めて自分で読む絵本としてもおすすめです。
今では娘が「がたんごとんがたんごとん、あ、これはね電車だよ」なんて言いながら息子に読み聞かせをしています。
・ダブルミリオンセラーを記録
・発語しやすい物が出てくる
・大きくなった子が自分で読む絵本に最適
絵本以外で発語を促す方法
絵本以外で発語を促す方法は以下の3つです。
- 実体験での刺激
- ポジティブな刺激
- 適切な声掛け
発語のメカニズムについて、別記事に詳しく載せています。
実体験の刺激
実体験の刺激は、砂遊びなど、実際に遊びながら5感を使い、「砂」や「泥」など言葉の理解を深めるものです。
実体験での刺激が難しい場合、できるだけ近くによって指をさし、「どれ」の言葉を教えているのかをハッキリさせるといいでしょう。
ポジティブな刺激
ポジティブな刺激は、絵本もですが、「楽しい経験」をもとに言葉の理解を深めるものです。
発語に限らず、楽しい事の吸収は早くなります。
そのため、読み聞かせは自分の余裕のある時に、楽しく行いましょう。
適切な声掛け
適切な声掛けは、絵本もそうですが、0・1歳には1~2語文で語り掛ける事が重要です。
2語文が出ている子には2~3語文、3語文が出ている子には3~4語文と、比例するように増やしていきましょう。
まとめ 「一番おすすめなのは?」
今回紹介した発語を促す絵本は下記の11点です。
今回紹介した絵本は、どれも赤ちゃんが発音しやすく、喋りやすい言葉が収録された絵本や図鑑です。
「どれを選べばいいのかわからない」という方のために、3冊ピックアップしました。
どれを選べばいいの?
結局のところ、おすすめできる絵本は好みによるので、好みを3タイプに分けて、おすすめを紹介します。
・なるべく早く発語してほしい
・たくさんの言葉を正確に覚えてほしい
・両方バランスよく言葉を教えたい
なるべく早く発語してほしい
「赤ちゃん言葉でもいいから、なるべく早く発語してほしい」というひとにおすすめなのが「あかちゃんごおしゃべりずかん」です。
たくさんの言葉を正確に覚えてほしい
「たくさんの言葉を、正しく覚えてほしい」という人におすすめなのが「アンパンマンあそぼうしゃべろうことば図鑑」です。
両方バランスよく教えたい
「正しい言葉を教えたいけど、なるべく早く発語はしてほしい」という方におすすめなのが「じゃあじゃあびりびり」です。
我が家でもこの絵本が一番発語を促す効果を感じています。
赤ちゃんがマネをしてくれたり、反応が良かったりすると、読み聞かせをしている側まで楽しく明るい気持ちになれますよね。
親子で、楽しい読み聞かせの時間を送ってくださいね♪