1歳になると、指差しするお子さんが出てくる頃ですね。
指差しは、1歳半検診でも診られる、発達において重要な過程です。
指差しは、親子で同じものを見て共有する「共同注意*」のうちの1つで、コミュニケーションを取る手段です。
そのため、1歳半検診では、コミュニケーションを取る能力があるかどうかを調べるための、1つの基準として「指差し」の有無を確認します。
指差しの練習には、親子でコミュニケーションや、共同注意*が行えるため、「絵本の読み聞かせ」が最適です。
*共同注意=他者と同じものに注意する事。
指差しで同じものを見たり、絵本を読み聞かせたりは、共同注意の1つです。
- 本のあらすじや対象年齢が分かる
- 実際の子供の反応を紹介
- ジャンル別で紹介するのでわかりやすい
筆者の息子は、発達相談に行くほど発達ゆっくりさんです。
未だにクレーン現象も若干混じったままですが、そんな息子から指差しを引きだした絵本を12冊紹介します。
特に、仕掛け絵本では、仕掛けを動かす際に手指の形が、「指差し」の形になるので、効果絶大でした!
指差し練習におすすめな仕掛け絵本【3選】
遊ぶ時に自然と手指が「指差しの形」になる絵本を3冊紹介します。
指差しが苦手な子は、不器用な子が多いですが、そんな不器用な子の指先トレーニングにもなる絵本を、紹介します♪
順番に、「あらすじ」と「子供の反応」を紹介していきます♪
お?かお! (8ページ)
対象年齢:0歳~3歳
文字数:少なめ
おすすめ度:
テンポの良さ:
目や鼻などの顔のパーツを指先で動かして遊ぶ仕掛け絵本です。
表紙の顔も動かせます。
赤ちゃんは本能的に「顔」が大好きで、生まれて初めて認識できるものも「顔」だと言われています。
そのため、好きな物が定まっていないお子さんでも、絵本に興味を持ちます。
興味がない物では、まず仕掛けで遊んではくれません。
子供に興味を持ってもらえる仕掛け絵本で、遊びながら指差しの練習をしてみましょう♪
この絵本、一つのパーツに連動して、思わぬ場所も動きます。
トリッキーな動きに、息子は夢中になって遊んでいました。
息子は、この絵本を読んでいる間は、手指が指差しの形になっています。
完璧にクレーン現象が消失したわけではありませんが、この絵本を読むようになってからは、クレーン現象が出てくる頻度が激減しました。
ころりん・ぱ! (8ページ)
対象年齢:0歳~3歳
文字数:少なめ
おすすめ度:
テンポの良さ:
「ぐにゃぐにゃ」や「かくかく」などのコースを、指先でボールを移動させる絵本です。
表紙のボールも動かせます。
なかなか「指差し」が出ないという子は、「不器用」であることが多いです。
この絵本は、4つのコースを、指先を使って、ボールを器用に動かす絵本なので、指先のトレーニングに最適です。
指先のトレーニングで、不器用が解消され、「指差し」につながります。
コースも、迷路みたいに遊べるため、1歳の息子も、2歳の娘も両方楽しく遊べています。
「お?かお!」のシリーズ絵本ですが、絵本の系統が異なっているため、違った楽しさが味わえます。
筆者の息子は、不器用すぎて「手づかみ食べ」も出来ませんでした。
この絵本で遊びだしてからは、だんだん手指のコントロールが上手になり、1歳頃には、しっかりと手づかみ食べをできるようになりました。
さわってあそぼう ふわふわあひる (24ページ)
対象年齢:0歳~4歳
文字数:少なめ
おすすめ度:
テンポの良さ:
「ふわふわ」「がさがさ」などの触感と一緒に、「まる」などの形や、「きいろ」などの色、「あひる」などの動物の名前も一緒に覚えられる絵本です。
表紙を見るとイメージが付きます。
「きいろくてふわふわのまる」な部分がありますが、そこに「ふわふわの毛」が実際についてあります。
それを触りながら「黄色くてフワフワの丸」を認識し、この特徴を持ったのは「アヒルの子」だと、理解できるような構造の絵本です。
実際に「ふわふわ」や「がさがさ」等の触感を楽しめるため、子供は自然と絵本に手を伸ばします。
息子は、ふわふわの毛が大好きで、むしったり、引っ張ったりして楽しんでいます。
むしられるのが苦手な人にはお勧めしませんが、そうした手指の動きや感覚遊びは、器用さや、脳の発達に重要な役割を担っています。
息子にほとんど指示が通らないのに、「黄色」や「丸」などが理解できるのは、この絵本のおかげだと思っています。
電車好きにおすすめな指差し練習絵本【3選】
1歳半検診では、「車はどれ?」と聞かれて、指差しで答える検査が行われます。
質問に、指差しで答える事を、「応答の指差し」といいます。
応答の指差しを引きだすには、物の名前を知っている事、コミュニケーションをたくさん取る事が重要です。
子供の好きな絵本では、コミュニケーションをとりやすかったり、子供が言葉を吸収しやすかったりするため、おすすめです。
今回は、電車好きにおすすめな指差し絵本を3冊紹介します。
順番に、「あらすじ」と「子供の反応」を紹介していきます♪
がたん ごとん ざぶんざぶん (20ページ)
対象年齢:0歳~3歳
文字数:少なめ
おすすめ度:
テンポの良さ:
「がたんごとんざぶんざぶん」と、電車や海のオノマトペを繰り返しながら、スイカやトウモロコシなど夏になじみ深いものを乗せながら海水浴場を目指すお話です。
シリーズ絵本として「がたんごとん」もありますが、「がたんごとんざぶんざぶん」の方が、情報量が多く、興味を幅広く持ってもらえるため、指差しを促すのにおすすめです。
息子は電車が大好きですが、息子が一番に指さすのは「海」
そっち!?と思いましたが、「ざぶんざぶん」のオノマトペが心地いいみたいです。
電車は、「犬」や「カニ」など、様々なお客さんを乗せるので、子供は興味を移しながら絵本の世界に入り込みます。
新しく乗ってくるお客さんを次々に指さしながら、「がたんごとんざぶんざぶん」のオノマトペに体を揺らして大興奮でした。
でんしゃでいこう でんしゃでかえろう (24ページ)
対象年齢:1歳~4歳
文字数:少なめ
おすすめ度:
テンポの良さ:
表紙からはもちろん、裏表紙からも読むことができる絵本です。
「でんしゃでいこう」は、海の駅に向かうまでのお話です。
始めは、山の駅から出発です。トンネルをくぐる度に広がる景色が変わっていきます。5回トンネルをくぐると、終点の海の駅に到着です。
裏から読むと、海の駅から、山の駅までのお話を楽しむことができます。
トンネルをくぐる度に広がる景色が変わっていく絵本ですが、トンネルの中では、車内の様子が変わっていきます。
大きい年齢の子でも、車内の様子から、いろんなお話を想像することができるため、幅広い年齢で楽しめる絵本です。
息子は、雪だるまを指さしたり、猿を指さしたり、景色が移り変わるごとに指差しをしていました。
トンネルをくぐるページでは、指差しをスタンバっていました。
絵本のイラストがとてもきれいで、動物や、人々の生活の様子がリアルに描かれているので、大人も楽しく読み聞かせることができます。
電車が走るオノマトペも、どんどん変わっていくので、繰り返し楽しく読める1冊です。
ふみきりくん (32ページ)
対象年齢:1歳~4歳
文字数:少し多め
おすすめ度:
テンポの良さ:
踏切の1日の仕事を描いたお話です。
働き者の踏切が「かんかん」音を鳴らしながら、街の安全を守る仕事を務めます。
電車好きの中でも、踏切好きな子にはたまらない1冊です。
踏切君の絵本をよく見てみると、目や口があり、擬人化されているキャラクターで、幼い子供でも、物語に入り込みやすい工夫がされています。
指差しはもちろん、息子が踏切の事を「かんかん」と言い出したのは、この絵本のおかげです。
実際にふみきりを見に行く時も、絵本を読むときも、息子は踏切の指差し率100%なので、「好きに勝るものはなし」は指差しにも言えると感じました。
どうぶつ好きにおすすめな指差し練習絵本3選
「共感」「質問」の指差しを誘いやすい♪
楽しく遊べるどうぶつ絵本を3冊紹介します。
1歳半検診で問われる、「応答の指差し」を誘える絵本も紹介します♪
順番に、「あらすじ」と「子供の反応」を紹介していきます♪
わたしはだあれ? (28ページ)
対象年齢:1歳~4歳
文字数:普通
おすすめ度:
テンポの良さ:
アヒルが休んでいると、目隠しをされて「だあれ?だあれ?わたしはだあれ?」と、誰かに聞かれます。
「……うさぎちゃん?」アヒルが聞くとウサギは「あったり~!」と嬉しそう。
次は、ウサギが休んでいると…
「だあれだあれ?わたしはだあれ?」の繰り返し言葉が、クセになる絵本です。
「あったり~!」と、嬉しそうに飛び上がる動物に、読み手も幸せな気持ちになれ、癒される1冊です。
「わたしはだあれ?」と聞くと、息子は後ろで目隠しをしている動物を指さします。
比較的簡単な「応答の指差し」だからか、息子は簡単に指差しする事ができました♪
ページをめくって、「あったり~!」と言うと、息子は顔をクシャッとさせて笑い、手足をばたつかせて喜びます。
指差しを促すだけでなく、幸せな気持ちにもさせてくれるこの絵本が、筆者も大好きです。
くまさんくまさんなにみてるの? (25ページ)
対象年齢:1歳~4歳
文字数:普通
おすすめ度:
テンポの良さ:
「くまさんくまさん、ちゃいろいくまさん、なにみてるの?」
「あかいとりをみているの。」
ページをめくると、次は赤い鳥さんに問いかけ、これを繰り返します。
最後のページでは「こどもたちこどもたち、みんなはなにをみているの?」と問いかけます。
最後のページでは、茶色い熊や、赤い鳥などが出てきます。
「何を見ているの?」と、指差しを促すセリフが絵本の中に入っています。
何を見ているの?に対して、指差しができれば、それは「応答の指差し」と言います。
応答の指差しは、1歳半検診で問われる指差しの為、検診が心配の方にはぴったりの絵本です。
エリック・カールの「独特で色鮮やかな動物の絵」が、見開き1ページにまたがり、大きく描かれています。
息子の反応は薄かったものの、動物好きで、「はらぺこあおむし」好きな娘は、すぐにエリック・カールの絵本だと気づき、食い入るように見ては指差しで「くまさんが好き!」と答えてくれました。
どうぶついろいろかくれんぼ (32ページ)
対象年齢:0.5歳~4歳
文字数:少な目
おすすめ度:
テンポの良さ:
背景に、色が塗られて、目、鼻、口が描かれています。この動物はなんでしょう?
右ページには動物の形が切り抜かれたページがあり、めくると、動物の形が浮かび上がってきます。
「がおー」隠れていたのはライオンさんでした♪
コントラストの高い絵本なので、目が育っていないお子さんでも、興味を引きやすい絵本です。
目の発達は個人差が大きい時期なので、コントラストの高い絵本を選ぶと間違いがないです。
ページをめくり、急に浮かび上がる動物に息子は大興奮で、「見てみて」と言うように指差ししていました。
娘は、色や目や鼻などのヒントから、動物の名前を当てるのを楽しんでいます。
幅広い年齢で楽しめるので、兄弟で読んでも、違った楽しみ方ができるのが嬉しいポイントです。
小さい子供は「物の永続性」という、隠しても、物体はそこにあり続けることを認識する力がありません。
そのため、「いないいないばあ」は子供にとって、刺激的で面白く、興味を引く遊びです。
そのため、急に浮かび上がる動物に大興奮し、その興奮を共有しようと、指差しをしてくれました。
たべもの好きにおすすめな指差し練習絵本3選
思わず手を伸ばしたくなる!
食欲をそそる食べ物絵本を3選紹介します♪
食べ物絵本は「欲求」の指差しが誘いやく、さらにステップアップして「りんごはどれ?」などと聞くことで、「応答」の指差しも誘いやすいです。
順番に、「あらすじ」と「子供の反応」を紹介していきます♪
おべんとう (32ページ)
対象年齢:0.5歳~3歳
文字数:少な目
おすすめ度:
テンポの良さ:
お弁当箱を用意して、一番最初に入れるのはなにかな?
「いちばんさいしょにいれるのは ふっくらほかほかたきたてごはん。」
左ページにフライパンや炊飯器に入ったご飯が、右ページにお弁当箱に詰め込まれる様子が描かれています。
次に入れるのはあつあつミートボール…
お弁当が完成するまでのお話です。
白米から湧き上がる湯気や、タレに絡まり美味しそうなミートボール…どれもこれも美味しそうで、読むだけでお腹が減ります。
食べ物が大好きな息子君は、イラストを指さしながら、口をもぐもぐ、よだれをたらーん。
絵本を片付けると、大泣きするほど大好きな1冊です。
普段はご飯をあまり食べない娘でさえ、この絵本を読むと「ご飯食べたい」というほどの威力です。
うちの息子くんみたいな食いしん坊は、食べたい!と「欲求の指差し」をしてくること間違いなしでしょう。
くだもの (24ページ)
対象年齢:0.5歳~2歳
文字数:少な目
おすすめ度:
テンポの良さ:
果物のイラストの下に、果物の名前が書いてあります。
次のページには、「さあどうぞ」のセリフと一緒に、果物が切られていたりして、食べられる状態になったイラストが描いてあります。
写真のように無駄な情報が一切なく、シンプルな果物のイラスト。
それでいて、新鮮さが伝わる綺麗なイラストに目を惹きます。
くもんが選りすぐった内容の優れた絵本、「くもんの推薦図書」にも選ばれています。
息子君は果物があまり好きではないので、反応は薄めでした。
娘は、果物の姿が変わっていくのを楽しそうに見ていました。
果物の「そのままの姿」と、「食べられる状態」が対照的に描かれているのが、この絵本の特徴です。
子供がいつも目にする果物は「食べられる状態」ですよね。
いつもと違う果物の様子に、果物好きな子供は刺激を受けるのではないでしょうか。
くだものいろいろかくれんぼ (32ページ)
対象年齢:0.5歳~4歳
文字数:少な目
おすすめ度:
テンポの良さ:
背景に、色が塗られて、果物の模様が描かれています。この果物はなんでしょう?
右ページには果物の形が切り抜かれたページがあり、めくると、果物の形が浮かび上がってきます。
「ころんころん」隠れていたのはリンゴでした♪
「どうぶついろいろかくれんぼ」と同じシリーズの絵本です。
このシリーズの絵本は、コントラストが高く、ボードブック(厚紙)なので、幼い月齢の子にもおすすめです。
息子君はそこまで興味を示しませんでした。
息子も興味を示すようになりました!(9/12修正)
娘は、楽しそうに隠れている果物を当てながら読んでいました。
以前は息子の興味が、外に向いていたのに読もうとしたのがいけませんでした💦
息子は絵本をめくったり戻したり、突然浮かび上がる果物を指さして「ななな(バナナ)」と大興奮です!
かくれんぼ絵本は、子供が「わっ」と驚く意外性から、「共感の指差し」を誘いやすいです。
果物に興味があるお子さんにおすすめの1冊です。
まとめ
今回の記事をまとめると次のとおりです。
コミュニケーションを取れたり、共同注意が取れたりする絵本は、指差しの発達を促すのにピッタリのツールです。
繰り返しますが、不器用な子におすすめな指差し練習絵本は「仕掛け絵本」です。
不器用ではないが、指差しをしてくれない子におすすめな指差し練習絵本は「子供が興味のある絵本」です。
絵本で、楽しくコミュニケーションを取る事で、子供の「知りたい」や「共感したい」などの感情を育てる事ができます。
それらの発達段階を得て、最終的に行き着くのが、1歳半検診で問われる「応答の指差し」です。
「応答の指差し」には「物の名前を知る事」さらに「コミュニケーションを取れる能力がある事」が大事です。
これらを兼ねそろえた「絵本」を、指差し練習に取り入れるのをおすすめします♪
良かったら参考にして、楽しい絵本ライフを送ってくださいね♪
年間5000冊以上、絵本の読み聞かせを行い、絵本所持数が350冊を超えた「絵本マニア」がおすすめする恐竜絵本はこちら。